稲の話

出穂が大体予想通りの日にちにでた。誤差は±2日くらいと思っていたが+1日くらい。

もち米を植えた田も穂が出たのだが、明らかに外周とその内側で様子が違う。

外周は背が高く、穂がまだ垂れていない。内周は背が低く、穂がかなり垂れている。

 

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奥と手前で穂の様子が違う。

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こちらの方がわかりやすいかもしれない。横と縦の列で穂の実り具合が違う


外周というが外8列だ。田植えをするときには4列ずつ植えるので、2周分の異変である。

 

これは、田植えをする前準備として田植え機で外縁2周分を植え付けをせずに回ってマーカーの跡をつけるのだがその時に田植え機に付属した肥料が撒かれていた可能性が高い。田植えマシンのスイッチは切っていたのだが、施肥器のスイッチを切るのを忘れていたものと思われる。そのあと通常の田植えのときにももちろん施肥器で肥料は散布されるので、二重に肥料が撒かれてそこだけ稲の生育が良くなってしまったのだろう。

 

稲の生育が良くなると、穂ではなく茎や葉の成長に養分が回されるので穂が実るのが少し後にずれる。田植え時に散布する肥料はかなりぎりぎりを狙った配分なので多すぎても少なすぎても影響がある。今回は多すぎたので穂の出に影響があるのかもしれない。

 

まあ、少なすぎるよりは遥かにましなのでよかった。多すぎると穂が重くなったり背が伸びすぎたりして、倒伏の危険性が倍増するのだがそれはコシヒカリの話。もち米(今回はココノエモチ)はもともと背が低くて茎が太く、倒伏耐性が非常に強いのでまあ大丈夫だろう。

Tさんの話

Tさんの話をしよう。

Tさんは背の低いおじいちゃんで、うちから車で45分ほどの山の中に住んでいた。いろいろと事情があって私は数年の間、ちょくちょくTさんの家に通っていた。生存確認兼おしゃべりというところか。

 

Tさんの庭には夏になるとオレンジ色の鮮やかな花を咲かせるつる植物があった。その花を眺めながら私たちは縁側で2時間くらい毎度おしゃべりをした。

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ノウゼンカズラというらしい。

 

今日車を走らせているとその同じ花が目に飛び込んできた。Tさんの庭にもこいつが一杯咲いていたなあ、ということでもう5年以上前の記憶が戻ってきたので記す。

 

Tさんは昭和一桁生まれで、変人だった。山の中に自分で建てた平屋の家に住んでおり、その家は18歳の時に自力で建てたという木造家屋だった。周りの山から木を切りだして製材し、組みあげていったという。

「ほれ、柱の角が丸いじゃろう」

そういわれて縁側の柱を見ると確かに角が丸い。太さを確保するために完全な正方形の柱に製材するのではなく、少し円周を残して落としたのだという。柱は赤っぽい艶消しの塗料で塗られており、それは虫よけになるのだという。

 

Tさんはフグの調理師で、鮮魚の運送業者で、火力発電所の炉のメンテナンス作業者で、土木工事会社の元受けで、変人だった。話は異様に豪快だが本人はいたって繊細だった。毎回、私が遊びに行くとTさんはお茶とお茶菓子を出してくれた。Tさんは目が悪いので私にインスタントコーヒーの粉を入れさせ、お湯をティファールで沸かしてコーヒーを淹れてくれた。お茶菓子は大抵ラングドシャとかルマンドとかの洋菓子だったが、Tさんは決して個包装の菓子を手で破ることはせず、ハサミできっちり封を切って菓子をとりだしていた。

 

Tさんは毎日湯船につかるとき、風呂の栓につながる鎖をにぎりしめて入る。もし入浴中にクラっと来たら速攻で栓を抜くためだという。

「そうすりゃ、もし気絶して湯船に沈んでも、溺死せんからの」

大真面目な顔でTさんはそう言うのだった。

 

Tさんは毎回私にいろいろなノウハウを伝えてくれた。薪で走る自動車の始動方法や、丸太の製材方法や、野焼きをしている途中に自分が火に囲まれた時の対処方法を教えてくれた。グラマンが機銃掃射をしてきたときは道路を走って逃げてもダメで、とにかく道から外れて伏せる以外に方法はないということも教えてくれた。鮮魚を運送中に高速道路の検問で重量オーバーでひっかったときはその場で水を捨てるパフォーマンスをすれば乗り切れること、井戸の水が出てこないときは先端の弁がダメになっていること、自分が初めてUFOを見たときのことなどを教えてくれた。

 

我ながらよく覚えていると思うが、上記の話はそれぞれ10回くらいは聞いたので自然と覚えてしまったともいう。私はお茶菓子と話のお礼に家に手すりをつけたり、地デジへの切り替えの手伝いをしてあげるくらいしかできることがなかった。

 

何回か夏と冬が過ぎ、Tさんはやがて布団からあまり出られなくなり、骨折して老人ホームに入ってしまった。それからしばらくして亡くなられたという連絡がTさんの親族から入った。

 

今でもオレンジ色のノウゼンカズラを見ると、Tさんの家の縁側に腰かけて聞いた話を思い出す。

レターパックの話

諸事情でここ1か月ほどレンタルWi-Fiルーターを利用していた。

 

WiMAXルーターで、3日で10GBの制限があるが、実質的には月4000円前後でほぼ使い放題という、リモートワークにはまずまずの通信サービスであった。

 

申し込みをすると、ルーターと充電器とケースと、返送用のレターパックが簡易宅配便で送られてくる。1か月の期間が終わったらそれを返送用のレターパックに入れて投函すれば済む。送料も込みで4000円なので安いと思う。普通にWiMAXを契約してもそのくらいの値段はするわけだし。

 

今日が返却期限だったので、指示通りレターパックに入れ、品名は「ルーター」と書いて郵便局に持って行った。ポスト投函でもよかったのだけど、精密機器なので窓口に出そうと思って持って行った。

 

窓口では係の人が開口一番「中身はルーターということですが、具体的には何ですか??」と聞く。

 

「いえ、ルーターですが…電子機器ですかね」

リチウム電池ではないですか?」

ルーターです」

 

モバイルWi-Fiルータなのでリチウム電池を内蔵しているかもしれない。が私はそれを確認していない。もしかするとニッカド電池かもしれない。ここで「リチウム電池が入っているかもしれません」とかうっかり言ったら死ぬほどめんどくさいことになるだろうという予感が働く。

 

リチウム電池の場合お引き受けできませんが、リチウム電池ではないですか?」

「わかりません。それはルーターです」

ルータールーター…」となにやら品名一覧表を開きつつ検索しているようだ。

「よくわからないんですが、本当にリチウム電池ではありませんか?」

「わかりません」

 

リチウム電池が入っているかどうかは私は確認していないのでわからない。

「所長!ルーターって送ってもいいですか??」

「うーん、いいんじゃない?」と奥の方から所長が言う。係の人は振り向いて

「送り先は関東なので通常は航空便ですが、もしリチウム電池がはいっていた場合には陸送になります。その場合は時間がかかりますがよろしいですか?」

 

(なんですと!?今リチウム電池ではお引き受けできません言うたやないかい!!リチウム電池でもお引き受けできるんやないかい!実際にはとりあえず引き受けて、空港のエックス線検査かなんかではねたら陸送になるとかそういう運用なんやないかい!!だったらそう言ってくれよ!!)

 

「はい、時間がかかっても大丈夫です。お願いします」

 

係の人は引き受けてくれた。今のやり取りはなんだったんだ??

 

リチウム電池は絶対に引き受けられないのならば、その場で中身を確認するしかない。

リチウム電池が入っていても、故意にあるいは過失で出された場合、どうなるのかが不明である。実際には陸送に回されることになる。であれば、「リチウム電池が入っている場合は陸送になる」と明記して引き受けるべきである。そもそも、事業者がレターパックで返送するようにという扱いにしている以上、顧客が毎回窓口で確認(と引き受け拒否)のリスクを負うのは奇妙ではないか。レターパックには「現金送れはすべて詐欺」とでかでかと書いてあるが、「リチウム電池は引き受け拒否」とは一言も書いていない。実際には引き受け拒否ではなく、陸送扱いになるが検索の手間がかかるので窓口ではねたいという運用なのだ。そういうものとはたたかっていきたい。この通販全盛期のご時勢に、リチウム電池が入っているものを郵送できない、という運用は早急に破綻すると思う。

料理

普段は妻の人が料理をする。私は皿洗いをする。

皿洗いだけでなくて鍋、フライパン、包丁からグリルまで調理器具はすべて洗う。

調理場所がそんなに広くないので調理の途中から出てくるアイテムをどんどん洗っていくと楽だ。

 

調理よりも洗い物の方が向いている気がする。調理は、ゴールが見えないというかできた食事のイメージがいまだに苦手だ。皿洗いはゴールが「原状回復」と明確に設定されているのでそこまでの最短コースをとることができる。

 

妻の人は逆に調理の方が得意っぽいので、お互いに分担でちょうどいいと思う。

 

たまに料理するときは「食材準備」「刻む」「調理」「盛り付け」になるのだけど、その中だと食材準備が一番苦手だ。冷蔵庫の中を把握するのがめんどくさい。あけっぱなしにすると冷気が抜けてしまうし…中にカメラがあって常に内部が確認できればいいかもしれない。

塾の話

個別指導を生業にしてもう10年になる。

なんとなくノウハウも身についてきたのだが、新型コロナウイルスの影響により対面授業がほとんど不可能になってしまった。

 

幸い以前からオンライン個別指導にも軸足を移してきつつあったのだけど、それだけでは足りないので最近は駅前の個別指導塾にも講師として入っている。

 

そこの塾も緊急事態宣言中は休業状態だったのだが、6月に入ってから営業を再開した。ただし、教師生徒ともにマスク必須、そして教師と生徒の間にはビニールシートが垂らされている。

 

このビニールシートが曲者で、なんというか、テーブルクロスに醤油のシミがつかないように大衆食堂の机に敷いてあるふにゃふにゃの透明シート、といえばいいのだろうか。それを透かしてみる文字はゆがみまくって見えない(ハ〇キルーペのCM風に)!

 

1時間終えたころには横スクロール眩暈みたいな船酔いみたいな状態になってしまう。あれはなんとかならないんだろうか。そもそもマスクしてるなら飛沫飛散しなくない?

大雨

豪雨の影響がいろいろと出ている。
川の増水は氾濫危険水位をちょっと超えたくらいでぎりぎり持ちこたえた。
用水路の水が増えて田んぼの堰を超えて勝手に入ってくるので元を調整したり、排水をよくして対応した。

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倉庫の裏がすぐ山で、山からあふれた雨水がどこからともなく倉庫に入り込んでいる。これは大雨が降ると毎度のことなのだが、2年に一度くらいなので対策を忘れていつも浸水してから気づく。

 

倉庫の床はコンクリート打ちっぱなしで、しかも周囲の土地より数センチ低いので全く排水がうまくいかない。コンクリートをはつって排水口を作ればいいんだろうけど…大層手間がかかりそうだ。

 

今晩の雨が山になりそうなので、ヘッドライトとヘルメットと安全靴を用意して寝る。

梅酒がうまいという話

梅酒がうまい。

実家では毎年大量の梅が取れる。どれくらい取れるかというと農業用のコンテナ3杯くらい取れる。洗面器30杯くらいか。

そんなに取れても困るので梅干しにしたり、梅酒にしたり、梅シロップにしたりするのだが、今回は梅酒がうまいという話。

梅酒は梅と砂糖とアルコール度数の高い酒を一緒に容器に入れて一年程度放置するとできるのだが、一年目ではなくて数年放置するとうまい。原理的には10年とか放置も可能だが、そうなるとどうもアルコール分が蒸発してしまうのか、飲んでもさほど酔わない液体が誕生する。

だいたい3年目ー5年目くらいが一番うまい。今はその5年目くらいの梅酒をもらってきて隔日くらいでちびちび飲んでいる。ストレートでは濃すぎるのでロックか水割りか炭酸水割で飲んでいる。

おすすめは、ロックグラスに氷を5個入れて炭酸水と梅酒を1:1で割ったものだ。氷が溶けるとだんだん薄くなるのでそこに梅酒を追加しながらちびちび飲むと大変うまい。実際にはちびちびではなくごくごくと飲んでいるのだが。梅の香りとはちみつのような甘み、クエン酸の酸味がおだやかになった感じが広がって夏の夜に大変あう。

しかし糖分が多いので腹が出るのが心配である。というわけで梅酒以外に飲むビールは糖質ゼロのやつにしました(本末転倒)。