レターパックの話
諸事情でここ1か月ほどレンタルWi-Fiルーターを利用していた。
WiMAXのルーターで、3日で10GBの制限があるが、実質的には月4000円前後でほぼ使い放題という、リモートワークにはまずまずの通信サービスであった。
申し込みをすると、ルーターと充電器とケースと、返送用のレターパックが簡易宅配便で送られてくる。1か月の期間が終わったらそれを返送用のレターパックに入れて投函すれば済む。送料も込みで4000円なので安いと思う。普通にWiMAXを契約してもそのくらいの値段はするわけだし。
今日が返却期限だったので、指示通りレターパックに入れ、品名は「ルーター」と書いて郵便局に持って行った。ポスト投函でもよかったのだけど、精密機器なので窓口に出そうと思って持って行った。
窓口では係の人が開口一番「中身はルーターということですが、具体的には何ですか??」と聞く。
「いえ、ルーターですが…電子機器ですかね」
「リチウム電池ではないですか?」
「ルーターです」
モバイルWi-Fiルータなのでリチウム電池を内蔵しているかもしれない。が私はそれを確認していない。もしかするとニッカド電池かもしれない。ここで「リチウム電池が入っているかもしれません」とかうっかり言ったら死ぬほどめんどくさいことになるだろうという予感が働く。
「リチウム電池の場合お引き受けできませんが、リチウム電池ではないですか?」
「わかりません。それはルーターです」
「ルーター、ルーター…」となにやら品名一覧表を開きつつ検索しているようだ。
「よくわからないんですが、本当にリチウム電池ではありませんか?」
「わかりません」
リチウム電池が入っているかどうかは私は確認していないのでわからない。
「所長!ルーターって送ってもいいですか??」
「うーん、いいんじゃない?」と奥の方から所長が言う。係の人は振り向いて
「送り先は関東なので通常は航空便ですが、もしリチウム電池がはいっていた場合には陸送になります。その場合は時間がかかりますがよろしいですか?」
(なんですと!?今リチウム電池ではお引き受けできません言うたやないかい!!リチウム電池でもお引き受けできるんやないかい!実際にはとりあえず引き受けて、空港のエックス線検査かなんかではねたら陸送になるとかそういう運用なんやないかい!!だったらそう言ってくれよ!!)
「はい、時間がかかっても大丈夫です。お願いします」
係の人は引き受けてくれた。今のやり取りはなんだったんだ??
リチウム電池は絶対に引き受けられないのならば、その場で中身を確認するしかない。
リチウム電池が入っていても、故意にあるいは過失で出された場合、どうなるのかが不明である。実際には陸送に回されることになる。であれば、「リチウム電池が入っている場合は陸送になる」と明記して引き受けるべきである。そもそも、事業者がレターパックで返送するようにという扱いにしている以上、顧客が毎回窓口で確認(と引き受け拒否)のリスクを負うのは奇妙ではないか。レターパックには「現金送れはすべて詐欺」とでかでかと書いてあるが、「リチウム電池は引き受け拒否」とは一言も書いていない。実際には引き受け拒否ではなく、陸送扱いになるが検索の手間がかかるので窓口ではねたいという運用なのだ。そういうものとはたたかっていきたい。この通販全盛期のご時勢に、リチウム電池が入っているものを郵送できない、という運用は早急に破綻すると思う。